BtoBオウンドメディアの始め方|立ち上げ・運営のポイントを解説
自社のターゲットユーザーに向けた記事を掲載する「オウンドメディア」は、BtoBマーケティングのリード獲得やナーチャリングなどに有効な手法です。しかし、「どのようなコンテンツを作ればよいかわからない」、「取り組んでみたものの思うような成果が出ない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
オウンドメディアで成果が出るまでにはある程度の期間がかかるため、目標を適切に設定し、運営体制を整えた上で取り組むことが重要です。BtoBのオウンドメディアの目標設定や、成果につながるメディア作りのポイントについて解説します。
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目次[非表示]
1. BtoBのオウンドメディアを作る目的・ゴールを設定する
BtoBのオウンドメディアを制作する際は、始めに「誰のためのメディアか」「どんな価値を提供するのか」という目的を明確にすることが重要です。メディアの目的とゴールが明確になると、コンテンツ制作の方針や目標数値(KPI)も定められます。
BtoBのオウンドメディアの主な目的として、次の3つが挙げられます。
リード獲得やナーチャリング
オウンドメディアへのアクセスを集めることで、将来的に受注につながるリードの獲得が可能です。また、見込み顧客の課題解決に役立つコンテンツをオウンドメディアで提供し、興味関心や検討度合いを高めるナーチャリングにも活用できます。
BtoB企業でオウンドメディアを運営する場合、リード獲得・ナーチャリングを目的とすることが一般的です。
オウンドメディア自体の事業化
既存事業のマーケティング手段としてではなく、オウンドメディア自体を事業化することを目的とする場合もあります。オウンドメディア上での広告掲載などで収益を得たり、認知度を高め信頼性を獲得したりすることが可能です。
外部へのメッセージ発信
自社の理念や目指している将来像などを外部に発信するために、オウンドメディアを運営するケースもあります。直接的な収益化やリード獲得ではなく、会社としてのメッセージを広く知ってもらうことが目的です。
メッセージを発信した結果として、潜在顧客の取り込みや採用時のミスマッチ防止などのメリットが得られる場合もあります。
2. BtoBオウンドメディアのKPIの設定方法
オウンドメディアは成果が出るまでには、一定の期間が必要です。そのため、立ち上げ直後の段階から業績につながるような成果を狙うと、「成果が出ない」と評価されてしまうこともあります。
オウンドメディアで収益化やリード獲得の成果が出るまで運営するためには、段階的にKPIを設定することがおすすめです。ここでは、BtoBオウンドメディアのKPIの設定方法について解説します。
STEP① 公開本数・更新頻度
オウンドメディアを立ち上げたばかりの段階では、まずは必要な量のコンテンツを安定的に公開・更新できる体制を作ることを目標にしましょう。1か月あたりに公開した記事の本数や、既存記事の更新頻度などが初期段階のKPIとしておすすめです。
STEP② 訪問者数
安定的にコンテンツを公開できる体制が整ったら、次にオウンドメディアでどれだけのユーザーに接触できているかを成果の指標とします。オウンドメディア全体のページビュー数(PV)や訪問数(セッション数)、ユニークユーザー数などをアクセス解析ツールで確認し、KPIとして管理しましょう。
STEP③ コンバージョン(CV)数・CV率
訪問者数の指標が伸びてきた段階からは、コンバージョン(CV)数やコンバージョン率を成果指標にすることがおすすめです。
例えば、リード獲得を目的としたオウンドメディアの場合、資料請求数やホワイトペーパーのダウンロード数、問い合わせ数などが主なKPIとなります。オウンドメディアの目的に応じて、CV数やCV率などの目標を設定しましょう。
3. オウンドメディアの読者のペルソナを設定する
BtoBオウンドメディアのコンテンツを制作する準備として、どのような読者をターゲットとするかというペルソナを設定しておくことが重要です。次のようなポイントについて考え、オウンドメディアのターゲット像を明確化しましょう。
ターゲット読者は誰か
ターゲット読者を設定する際は、どのような企業を狙うか、誰を狙うかをそれぞれ考えます。まずは、オウンドメディアでリーチしたい企業の規模や業界などを設定しましょう。その上で、その企業に属するどのような人をターゲットにするかを想定します。
例えば「従業員数150名の教育研修会社」で「広告代理店から転職し、Web施策を担当することになった30歳の男性」など、具体的に考えることがポイントです。
何を課題としているのか
次に、ターゲット読者が抱えている課題を考えましょう。企業と個人について課題を想定すると、ターゲット像をより明確にすることが可能です。
企業の課題は「新たな施策を始めるために時間がかかっている」や「リソースが足りていない」などが考えられます。個人の課題は「Webマーケティングの初心者で知識・ノウハウが足りていない」や「Webマーケティング施策で思うような成果が出ていない」などです。
課題をどのような手段で解決できるか
ターゲットの人物像と課題を設定した上で、オウンドメディアによって課題をどのように解決できるかを考えると、運営の方向性を定めやすくなります。
例えば、「Webマーケティングの基本的な考え方に加え、具体的な事例や図解などを盛り込んだコンテンツを提供する」など、ターゲット読者の課題を解決する手段を考えましょう。
4. 上位表示を狙うキーワードを決める
オウンドメディアへのアクセスを増やすには、検索エンジンで上位表示されることが重要です。ターゲット読者が検索しそうなキーワードで上位表示されれば、リード獲得などの成果につながりやすくなります。上位表示を狙うキーワードの考え方は次の通りです。
顕在層向けのキーワード
商品・サービスの導入に前向きで、積極的に情報収集している「顕在層」向けのキーワードは、リード獲得や問い合わせにつながりやすいため、優先的に狙うことをおすすめします。
例えば、「顧客管理システム」や「営業代行」など、サービスやツールの名称を表す単語はコンバージョンに近いキーワードです。また、「〇〇 価格」や「〇〇 導入コスト」など料金に関するキーワードも、検討度合いが高いと考えられます。
潜在層向けのキーワード
次に、まだ商品やサービスの導入は検討していないものの、将来的に導入する可能性がある潜在層向けのキーワードを考えましょう。潜在層向けのキーワードでオウンドメディアを上位表示できると、認知を広め、検討段階に入ったユーザーから想起してもらいやすくなります。
例えば「残業時間 減らす」や「アポ率 改善」など、課題の解決方法に関するキーワードは潜在層向けです。「〇〇業界 展示会」や「〇〇 市場規模」など、ビジネスについて調べものをしているユーザーのキーワードも、認知獲得につながる場合があります。
5. 各ページのCTAを最適化する
CTA(コールトゥアクション)とは、問い合わせや資料請求など、ユーザーに促すアクションのことです。オウンドメディアでは、各記事の内容に合ったCTAを設置することで、リード獲得などの成果につながりやすくなります。
ページごとにCTAを最適化するための考え方は次の通りです。
顕在層向けコンテンツのCTA
顕在層をターゲットとして作成したコンテンツには、導入事例やサービス紹介資料などのCTAが有効です。
興味関心が高い顕在層のユーザーは、商品やサービスの特徴や料金、得られる成果といった具体的な情報を求めています。導入事例やサービス紹介資料を訴求することで、積極的に情報収集しているユーザーへのアプローチが可能です。
導入事例やサービス紹介資料の作り方、活用のポイントについては下記の記事を参考にしてください。
準顕在層・潜在層向けコンテンツのCTA
準顕在層・潜在層のユーザーにアクションを促すためには、ホワイトペーパーやメルマガなどのCTAが有効です。
市場動向の調査データや、課題解決のためのノウハウなどをまとめたホワイトペーパーなら、まだ商品・サービスの導入を検討していないユーザーにも興味を持ってもらえます。また、課題解決に役立つトピックや業界のトレンドなどを発信するメルマガも、情報収集をしているユーザーに対するCTAとしておすすめです。
ホワイトペーパーの制作方法や活用方法については、下記の記事を参考にしてください。
6. BtoBオウンドメディアの運営体制を整える
BtoBのオウンドメディアで成果が出るまでには、短い場合で半年、長い場合は2〜3年程度かかることもあります。そのため、オウンドメディアによる施策を行う際には、長期運用を前提としたリソースの確保が必要です。
ここでは、BtoBのオウンドメディアの運営体制について解説します。
オウンドメディア担当者
記事の質は、オウンドメディアの成果を左右する大事なポイントです。記事の質を担保するために、社内にオウンドメディアの担当者を置く必要があります。また、KPIの設定やリソース配分のコントロール、キーワード選定など、プロジェクト全体を管理することがオウンドメディア担当者の役割です。
Webライター
Webライターは、オウンドメディアに掲載する記事の執筆を担当する役割です。情報をわかりやすく伝える文章力と、検索エンジンで上位表示するためのSEOスキルが求められます。オウンドメディアを作成・管理するツールであるCMSへの入稿作業を兼務することもあります。
ライティングを担当するスタッフが社内で確保できない場合、外部のWebライターに委託することも選択肢のひとつです。専門知識を持った業者に依頼すれば、高品質な記事を安定的に作成できます。
Webデザイナー
Webデザイナーは、オウンドメディア全体やページ内で表示するバナー、図解などのデザインを担当する役割です。画像の作成だけでなく、CMSの構築やコーディングなどを担当する場合もあります。BtoB企業では部署内にデザイナーがいない場合が多いため、マーケターが兼任することも一般的です。
オウンドメディアの制作・運営に必要な体制を整え、自社のターゲット層に向けた情報を発信していきましょう。
BtoBのオウンドメディアのポイントをおさらい
- オウンドメディアで「誰にどのような価値を提供するのか」を明確にする
- オウンドメディアのKPIは段階的に設定することがおすすめ
- 顕在層向けのキーワードから優先的に狙う
- コンテンツの内容に合わせてCTAを最適化する
- オウンドメディア担当者を決め、必要に応じて外部委託も検討する
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次の記事では、商品・サービスを導入した既存顧客の成果を紹介することでリードの検討度合いを高める「導入事例」の制作方法について解説します。