MA・SFAでBtoB施策を効率化!ツール活用の流れをステップごとの解説
BtoBのマーケティング施策や営業を効率化するためには、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援ツール)などが有効です。ただし、単にMAやSFAを導入するだけでなく、ツールを有効活用するための体制を整える必要があります。
MAやSFAでできることや、ツールを活用してマーケティング施策の自動化や受注獲得などの成果につなげる方法について解説します。
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目次[非表示]
1. MAの利用目的を明確化する
MAにはマーケティング施策を効率化するための機能が複数備わっています。MAを導入する際は、まず何のために利用するかという目的を明確にしましょう。
ただし、MAの中心的な機能は獲得済みのリードに対して興味度や検討度合いを引き上げる「ナーチャリング」です。そのため、効率化につなげるためには十分なリードを獲得しておく必要があります。MAを活用できるリード数の目安は5,000件以上です。
まずはリード数を増やした上で、下記のような機能を利用しましょう。
- シナリオ作成による施策の自動化
- トラッキング
- スコアリング
シナリオ作成による施策の自動化
シナリオとは、MAでマーケティング施策を自動化するための機能のひとつです。予測される見込み顧客の行動に対して、どのような条件に当てはまった場合に何のアプローチをするかを予め設定し、自動化できます。
属性や行動・興味の度合いに応じて最適なアプローチ方法を設定し、ナーチャリングなどの施策を効率化することが可能です。
トラッキング
MAのトラッキング機能を使うと、Webサイトに訪れたユーザーの行動を把握できます。直近の行動量が増えているユーザーや、料金ページなどの重要ページを何度も閲覧しているユーザーは、検討度合いが上がっていると推測できます。これらの行動をMAでトラッキングすることで、ホットリードを検知できます。
スコアリング
スコアリングとは、見込み客の属性・行動などを点数で評価し、見込み度合いを把握できる機能です。例えば、「業界」や「自社と接触した経路」、「直近にとった行動」などの各条件に対してそれぞれスコアを設定し、合計点からホットリードかどうかを判断できます。
リードの見込み度合いを評価する詳しい方法については、下記の記事を参考にしてください。
2. リストを集約・整理する
MAを活用する際は、見込み顧客についてどのようなデータを把握・管理するかを決めておく必要があります。業界や事業規模、担当者の役職など、MAで管理する情報を決め、既存の見込み顧客リストを整理しましょう。
リストを予め整理しておくことで、MAによるメール配信などの施策を行う際に、対象者のセグメントを設定しやすくなります。 リストはCRMなどのツールで管理されているほか、各営業担当者が名刺などを個別に所有していることも一般的です。情報が複数の部門や担当者に散らばっている場合は、MAで利用しやすいデータ形式で集約しましょう。
3. カスタマージャーニーを整理する
カスタマージャーニーとは、ターゲットが商品・サービスを認知してから購買の意思決定を行うまでの一連の体験のことです。見込み顧客の行動や心理状態、自社が行うアプローチなどをカスタマージャーニーマップとしてまとめておくと、施策の全体像を把握できます。
MAを効果的に活用するためには、カスタマージャーニーを整理しておくことが重要です。自社のカスタマージャーニーマップを作成した上で、どの施策をMAで自動化するべきかを検討しましょう。
4. 検討フェーズごとにコンテンツを用意する
MAによる施策で成果を上げるためには、見込み顧客の検討フェーズに応じて適切なコンテンツを用意することが重要です。自社が持っているコンテンツを把握し、検討フェーズごとにどれが有効かを整理しましょう。
まだ課題に気づいていない潜在層向けには、現状のやり方や体制に課題があることを示唆するコンテンツが効果的です。課題を認識している準顕在層向けには、課題解決できるサービスや手法があることを認知してもらうコンテンツが適しています。
MAを使った施策で活用できる主なコンテンツの形式は次の通りです。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、新規リード獲得とナーチャリングの両方に活用できるコンテンツです。また、扱う内容によって、潜在層から準顕在層まで幅広い層のナーチャリングができます。下記のように検討度合いに応じて内容を変えて用意し、MAを用いて適切なタイミングで届けることで、関係性の強化が可能です。
潜在層向け |
業界トレンドやノウハウ、情報提供 |
準顕在層向け |
課題を切り口にして、解決方法としての自社サービスを紹介 |
BtoB向けのホワイトペーパーの制作方法については、下記の記事を参考にしてください。
導入事例
検討度合いが高まっているリードには、既存顧客の導入事例による訴求がおすすめです。商品・サービスを導入した企業にインタビューした導入の決め手や、実際に活用している様子を紹介することで、導入を後押しできます。
BtoBの導入事例の制作方法については、下記の記事を参考にしてください。
セミナー・ウェビナー
参加者を少人数に限定して行うクロージング型のセミナー・ウェビナーは、見込み顧客の検討度合いを高め、商談化につなげるコンテンツとして有効です。
少人数であることを活かしてワークショップ形式にすると、見込み顧客とのリアルタイムのやり取りを通じて、具体的な情報を伝えられます。また、サービスのデモンストレーションを行い、見込み顧客の状況に合わせて活用方法例を紹介することで、検討度合いの引き上げが可能です。
セミナー・ウェビナーの企画や運営のポイントについては、下記の記事を参考にしてください。
5. ホットリードを定義する
ホットリードに対してインサイドセールスがアプローチすることで、フィールドセールスとの商談につなげられます。MAでホットリードの検知を自動化すれば、最適なタイミングでのアプローチが可能です。
MAを活用するための準備として、「どのような状態の見込み客がホットリードなのか」という定義を社内で統一しておく必要があります。マーケティングやインサイドセールス、フィールドセールスの間で認識を合わせておくことで、引き渡しがスムーズに進むようになり、成果の最大化につながります。
ホットリードを定義する詳しい方法については、下記の記事を参考にしてください。
6. MAのシナリオを設定する
MAの設定するシナリオは、大きく分けて「配信するメールの内容」と「ホットリード検知の条件」の2つです。
ステップメールの設定
ステップメールとは、予め設定したいくつかのメールを、条件に応じて自動で配信できる仕組みです。特定の条件を満たしたリードに対してメールを配信し、開封したかどうかや経過した日数などに応じて次のメールを配信できます。
例えば、ホワイトペーパーをダウンロードしたリードに対して、2~3日後に関連する別の資料を案内するといった施策が可能です。リードのニーズや想定される行動を考慮して、ステップメールの内容を設定しましょう。
ホットリード検知の条件設定
多くのMAには、リードが特定の条件を満たした時に通知を出し、ホットリードを検知する機能が備わっています。
例えば、リードが料金ページや事例ページ、会社概要ページなどにアクセスしたタイミングで社内に通知を出し、インサイドセールスから架電するといった仕組みを構築できます。これらのページにアクセスしているリードは、課題解決の手段を模索していると推測されます。そのため、インサイドセールスから電話やメールでコミュニケーションを取ることが比較的容易です。
また、WebサイトやLPへのアクセスが増えているリードには、MAで自動的にメールが送られるように設計することで、機会損失のリスクを抑えられます。
事前に定義したホットリードの条件に合わせて、MAで検知するための条件を設定しましょう。
7. SFAの利用目的を明確化する
SFAは、商談の進捗状況やセールス担当者の行動履歴などを管理・共有し、営業を効率化するためのツールです。SFAを導入する際は、ツールの利用目的を明確化する必要があります。
ただし、営業部門の規模が小さい場合などは、SFAを導入しても有効活用できません。リード数や営業部メンバーが増え、情報の管理が難しくなった時が、SFAの導入に適したタイミングです。
SFA導入タイミングの目安として、次のような指標があげられます。
- 総リード数(展示会などでの名刺交換含む)が1万件以上
- 架電対象となる有効リード数が2,000件以上
8. SFAで管理する項目を決める
SFAを活用する最初のステップは、管理する項目を決めることです。項目が多すぎると入力作業などにかえって手間がかかってしまうため、営業活動に必要な最小限の項目に絞りましょう。
SFAで管理する項目として、次のようなものがあげられます。
- コール数:営業担当者が、対象となる企業や個人に電話した数
- コンタクト数:実際に通話ができた数
- アポイント数:会う約束を取り付けることができた数
- 訪問数:営業担当者が訪問できた回数
- 受注数:受注できた件数や売上金額
- 解約数・クレーム数:サービスの解約やクレームの件数
入力内容が営業担当者によって異ならないようにするため、管理項目を共有しておくことも重要です。
9. SFA活用習慣化の仕組みを作る
これまでスプレッドシートやExcelシートなどで営業情報を管理していた企業がSFAを導入する際に、移行がうまく進まない場合があります。SFAへの切り替えを成功させ、営業活動を効率化するためのポイントは次の通りです。
SFAの導入意義を現場に伝える
リーダーや管理職の判断でSFA導入をしたものの、「入力に手間がかかる」「他の業務で忙しい」といった理由で活用されないケースがあります。導入決定者と現場担当者の意識のずれを防ぎ、スムーズにSFAを導入するためには、SFAの重要性や導入の意義を伝えることです。
導入決定者が積極的にレクチャーしたり、社内で勉強会を開いたりして、SFAに対する理解を促進しましょう。
セールスに関するデータ管理のルールを作る
SFAが「使いたい人だけが使う営業メモ」のようになってしまうと、従来のツールとSFAにデータが散らばり、分析や改善ができません。データ管理はSFAに一元化するというルールを作り、遵守してもらうことが大切です。従来のツールにデータやメモを残すことを防止し、SFAへの移行を進めましょう。
MA活用・SFA活用のポイントをおさらい
- MAはリード獲得やナーチャリングの施策を自動化できる
- MAを活用する準備としてカスタマージャーニーやリストの整理が必要
- MAを使った施策では検討フェーズごとに最適なコンテンツを用意する
- SFAはリード数や営業部メンバーが増えたタイミングでの導入が有効
- SFAを活用するためには管理項目の設定や導入意義の共有が必要
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次の記事では、リードに対するアプローチで商談を獲得する方法について解説します。